大山阿夫利神社
神奈川県 伊勢原市
丹沢の霊峰「大山」を御神体とする古社。「雨降山(あふりやま)」として雨乞い・豊作を司り、健康長寿・厄除けのご利益で知られる。江戸時代の「大山詣り」ブームで東海道随一の参拝地となった。
由緒
大山阿夫利神社(おおやまあふりじんじゃ)は、神奈川県伊勢原市に聳える標高1,252mの大山(おおやま)を御神体とする古社で、相模国(現在の神奈川県)を代表する格式ある神社のひとつだ。「阿夫利(あふり)」とは「雨降り(あめふり)」が転じた言葉で、この山が雨を降らせる霊験があることを示す。
創建——神代の古社
創建は崇神天皇代(紀元前97〜30年頃)とも伝えられる古社で、相模国一之宮・寒川神社と並ぶ格式を持つ。御祭神は大山祇大神(おおやまつみのおおかみ)・高龗神(たかおかみのかみ)・大雷神(おおいかづちのかみ)の三神。山岳・水・雷を司る神々が一堂に会することで、農業に欠かせない「雨」を呼ぶ神として古代より崇敬されてきた。
江戸時代の「大山詣り」
大山阿夫利神社が最も栄えたのは江戸時代である。「大山詣り(おおやままいり)」は江戸町人の間で爆発的に流行し、毎年夏の山開きシーズンには20万〜30万人が参拝に訪れたとされる。東海道・矢倉沢往還などを通じて、江戸から片道約2日のこの参拝は、「信仰と旅を兼ねた一大行事」として江戸文化の重要な一部を担っていた。
落語「大山詣り」にも描かれるように、男たちが連れ立って大山に登り、麓の旅館で精進料理を食べながら英気を養う。この集団参拝の文化は「講(こう)」という組織によって支えられ、全国各地に「大山講」の組織が生まれた。
下社と山頂本社
現在の大山阿夫利神社は、ケーブルカーで登れる「下社」(標高約700m)と、山頂付近の「本社」(標高約1,250m)の二カ所に社殿がある。下社は1240年(仁治元年)に建立されたとされ、ケーブルカー(阿夫利山麓駅〜阿夫利山駅)での参拝が一般的だ。本社へは登山道を徒歩で登る必要があり、登山と参拝を兼ねるアウトドア好きの参拝者も多い。
霊水と健康長寿
下社境内の岩の裂け目から湧き出す清冽な水は「大山の霊水」と呼ばれ、健康長寿・厄除けの御利益があるとされる。この霊水を持ち帰り、お茶や料理に使う参拝者も絶えない。
山岳信仰・自然崇拝の伝統を持つ大山阿夫利神社は、近年のアウトドア・登山ブームとも相まって、若い世代にも人気の参拝地となっている。
アクセス
神奈川県伊勢原市大山355




